よくあるご質問
シーズヒーターとは?
発熱線(A)の周囲を絶縁材(B)で囲んで電気的に絶縁しさらにその外側を金属管(C)で保護した発熱体です。
シーズは英語でsheath=鞘(さや)のことで金属管(C)を鞘に見立てこの鞘で保護されているヒーターのことを意味します。
(A)(B)(C)には各々使用状態に応じたノウハウがありますのでお気軽にお問い合わせください。
ヒーターのワット密度とは何ですか?
発熱部面積1cm2当たりのワット数を示す数値で単位はW/cm2です。
加熱する物質とヒーターパイプの種類によって各々設計限界値があります。
詳細はこちらからお問い合わせください。
ヒーターの消費電力を決める主要項目は何ですか?
- 加熱する物質の種類 (例:水、空気、金属等)
- 加熱する物質の質量 (例:g=グラム)
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加熱する物質の流量 (例:1秒で50g流れる)
ただし、加熱する物質が流体で無く容器に入った場合もあります。 - 加熱する物質の加熱前温度(℃)と加熱後の必要温度(℃)
ヒーターの絶縁低下を防ぐ方法は?
- 碍子等の耐熱絶縁材でヒーターパイプを絶縁することが最善です。(これをヒーターの絶縁と併せて二重絶縁と呼びます)
- ただし、実際には二重絶縁ができない場合の方が多くこの時は下記AかBの対応を行っています。
- A:口元部に封口材を充填・シールして外気とヒーター内部を遮断する。なお、封口材はその材質毎に使用上限温度が法律(電気用品安全法)によって定められています。
- B:水加熱等低温で使用するヒーターの場合には粉末表面に特殊加工を施した絶縁材を使用し絶縁低下を防止しています。
通電すると絶縁抵抗値が低下するのはなぜですか?
- 通電前の絶縁抵抗値を冷時絶縁、通電後を熱時絶縁と呼びます。
- ヒーターの内部には体積比で約80%の絶縁材(MgO粉末)と約20%の空気が含まれており、この空気の中には水蒸気となった水分が含まれています。
- 通電すると前記の水蒸気が口元部に集まってくるので絶縁抵抗値が低下します。
- 例え冷時絶縁が同じ数値であったとしても
- A:空気中の水蒸気が比較的高い湿度でヒーター内に均一に分布している場合と
- B:空気中の水蒸気湿度は全体的には低いが口元部に集中的に付着している場合とでは熱時絶縁の低下の度合いは大きくばらつきが発生します。
- 従って熱時絶縁の規格は電気用品安全法上の規格である温度が安定し断電2分後に1MΩ以上あることに近似数値で決めることをお勧めします。
シーズヒーターの寿命はどのくらいですか?
基本的には発熱線の線径と温度の関数になります。
あくまでも目安ですが発熱線径0.4mm、発熱線温度800℃の断続試験で10,000時間程度になります。
ただし、加熱する物質に腐食成分(例えば塩素や硫黄等)が含まれている場合には発熱線の寿命ではなくヒーターパイプが腐食して寿命となる場合もあります。
シーズヒーターのヒーターパイプの材質はどのように決めれば良いですか
ヒーターパイプの材質は加熱する物質の種類と加熱方法(直接加熱か間接加熱か)によって決まります。
ヒーターパイプの種類にはハイニッケル鋼、ステンレス鋼、鉄、アルミ、銅などがありますので、お問い合わせを頂ければ弊社技術担当者が最適な仕様を推奨させて頂くことも可能です。
シーズヒーターを曲げ加工する場合の寸法制限はありますか?
ヒーターパイプの材質と外径によって曲げ加工ができる最小寸法(最小R)が決まっています。
ヒーターパイプの内側Rの最小値はR12が目安です。
非発熱部(ヒーターパイプ内部のターミナルピン)の長さはどのように決めれば良いですか?
主に下記の3点に留意して決定してください。
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絶縁材に囲まれているターミナルピンの長さが25mm以上あること。
(ターミナルピンの保持強度を維持するために必要な寸法です) -
口元に封口材を使用する場合はその封口材の耐熱温度以下になる寸法であること。
(電気用品安全法の絶縁物の使用上限値を遵守するためです) -
曲げ部がある場合はその曲げRのエンドから10mm以上あること
(非発熱部エンドがRの中にあると耐電圧不良となる可能性があるためです)
ヒーターパイプの腐食を抑制する方法はありますか?
金属は最終的には酸化または塩化=腐食して金属酸化物または金属塩化物になっていきます。
この変化を極力抑制するためには下記の方法があります。
- その環境に適した鋼種を選択
- 酸洗い、電解研磨等の表面処理を施す